薬事申請とは? 申請の流れや必要なスキルのご紹介

2021.09.14

コラム

「薬事申請」とは、どんな仕事なのでしょうか?

 

医療機器や医薬品などを販売する際は、必ず厚生労働大臣への届出・承認、もしくは都道府県知事からの許可、認定等が必要になります。

薬事申請とは新しい製品を世に送り出すために重要な役割を担う、医療機器や医薬品等の承認申請を行う仕事です。

高齢化に伴い、ヘルスケア事業に新規参入を見出す企業様も増えていますが、その際に高い関門として立ちはだかるのが薬事申請といえるでしょう。

 

今回は、薬事申請の流れや、手続きをするために必要なスキルなどについて詳しくご紹介いたします。

薬事申請とは?

 

薬事申請とは、厚生労働省に対して申請し、製造、販売する為に使用な承認をもらう申請業務のことを言います。

新たに製造・輸入した医療機器や、医薬品の製造・販売・輸入販売を行うために、厚生労働大臣への届出・承認、または都道府県知事からの製造販売業、製造業の許可・認定等を取得するための手続きになります。

この承認を得るために、公的文書による申請手続きをすることが薬事申請の主な内容です。

 

なお、薬事申請対象となるのは医薬品だけではありません。

例を挙げると、

 

■医療用医薬品

■医療機器

■一般医薬品 (OTC カウンター越しに説明を受けて購入できる医薬品)

■コスメ・化粧品

 

なども薬事申請の対象となります。

 

薬事申請の主な業務内容は、厚生労働省に申請するための書類の作成です。

書類の作成といっても、そこに記載する内容は非常に細かく、開発の理由やその経緯、製品の品質や構造、試験方法やデータについても詳しく記さなければなりません。

 

そのため、薬事申請を行うには、開発チームや分析チームなどからも詳しい情報を確認する必要があり、その集めた膨大なデータをまとめる作業も、大切な業務のひとつとなります。

申請をする年度によっては、申請書類のひな型を更新する必要もあるため、社内だけでなく、外部状況の変化にも注意を払う必要があります。

 

申請後の審査は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)、第三者認証機関、都道府県等が行いますが、各団体の調査範囲はそれぞれ異なります。

 

各団体では、申請内容毎に専門の審査チームが組まれ、外部の専門家との意見交換も行われます。

普段、私たちが目にする多くのものが、こういった薬事申請を行った上で承認を得られてから販売、使用されているのです。

薬事申請の流れ

 

申請から承認までの、一般的な流れを簡単にご説明します。

 

①         申請書の提出

厚生労働省に医療機器・医薬品の承認、申請を求める申請書を作成し、提出します。

薬事申請は主に、メーカー、独立行政法人医薬品医療機器総合機構「PMDA」、外部の専門家、によって進められていきます。

申請書では

・その製品が必要とされる理由

・開発の経緯

・臨床試験や非臨床試験等の内容の詳細

・品質管理方法

など、製品の安全性や有効性を具体的に示す必要があります。

 

②         信頼性調査

資料の根拠となる臨床試験等は、申請内容に基づいて製品が科学的、倫理的に信頼できるかを確認するために、「申請資料の信頼性の基準」に従って資料が作成されているかを精査し、調査が行われます。

 

例えば、臨床試験のデータは

・厚生労働省令で定めている基準を遵守しているか?

・治験実施計画書に沿って行われたものであるか?

等、厳しく精査されます。

 

薬事申請担当が作成する資料は、製品の信頼性を上手く伝えることができるかどうかが非常に重要になります。

 

②         審査専門員との面談 

外部の専門家からの助言や、独立行政法人医薬品医療機器総合機構「PMDA」や外部の専門家、第三者認証機関との面談・審査が行われることもあります。

このように、様々な立場から協議検討し、信頼性を調査し評価をしていくのです。

なお、審査内容は対象製品(医薬製品・医療機器・化粧品等)によって異なります。

 

③         製品製造所の調査 

製造所の調査とは、「製造の供給能力があるかどうか」「品質管理が適切かどうか」を見極めることを目的としており

今後「安定して製品を製造・供給し続けることができるか」を確認するための調査となります。

適宜、外部の専門家との協議を踏まえて問題点等がまとめられます。

 

④         厚生労働大臣の承認

このような厳正な審査を通じて、厚生労働大臣と審議会を通過してから承認をされます。

 

申請から承認まで、早くても半年程は要します。

書類に不備があったりすると再審査の対象となり、さらに期間を要することになります。

すべての工程を、安全・適正に実施し、書類の不備をなくすことが、

結果的に申請にかかる時間やコストの軽減につながります。

薬事申請に必要なスキル

 

それでは、実際に薬事申請を担う担当者には、どのようなスキルが必要になるのでしょうか?

 

薬事申請は、ただ単に製品データをまとめて提出するだけの仕事ではありません。

薬事申請担当者は、専用のソフトウェアを用いてオンラインで手続きをするため、ソフトウェアに関する知識はもちろん、

・製品に関する深い知識

・法律、省令

・英語力

など、様々な知識とスキルが必要になります。

 

また、薬事申請者は製品の必要性や販売する意義を、見やすい資料でわかりやすく対外的にアピールする営業的な役目も担っています。

新しい製品を世に送り出すための重要な仕事であると言えるでしょう。

 

そして、薬事申請の業務に英語力は必須といえます。

なぜなら、書類を作成する上で、英語の文献を参照したり、電話やメールで海外の企業とのやりとりが発生することも頻繁にある為です。

そのため、薬事申請をするためには、専門的な内容のコミュニケーションを取れる程度の英語のスキルが求められます。

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