採血時の駆血と「駆血帯」について

2021.09.17

コラム

採血の際に、ゴムバンドやチューブを腕に巻きますよね。

それは血管を浮き上がらせるために行っています。

 

その血管を浮き上がらせることを「駆血」と言い、腕に巻くものを「駆血帯」と言います。

 

駆血帯には、適切な圧や目安時間などがありますが、基本的には医師や看護師の経験や勘で行われてきました。

きっと採血する側も、される側も苦手な方が多いでしょう。

今回は、昔ながらの¨ゴムバンドから最新の電動タイプ¨まで、様々な駆血帯をご紹介いたします。

駆血について、そして上手な駆血のポイントとは?

駆血は採血の際に大変重要な行為です。

 

心臓から押し出される血液は動脈を通り、身体の隅々まで送られ静脈によって心臓に戻ります。

腕の場合、動脈は指先に向かって徐々に細くなり、やがて非常に細い毛細血管に変わります。

指先では毛細血管が毛糸玉のように集まり、そして心臓に戻るため細い静脈を経て徐々に太い静脈になり心臓へと戻ります。

 

採血の際は、駆血帯を巻くことによって、血液が心臓に戻りにくくなり、血管をしっかり怒張(血管などがふくれること)させることができるため、深く穿刺(血液採取のために針を刺すこと)せずに済みます。

深く穿刺をすると、神経を損傷する可能性があり大変危険です。

 

【深く穿刺した結果…】

実際に、点滴ルート確保のために「深く穿刺しないようにする義務を怠った」として、複合性局所疼痛症候群(CRPS)を発症した患者が看護師を訴えた裁判例があります。

 

【防止策として】

このような事態に陥らないためには、駆血や駆血帯についてしっかり学び、医師及び看護師に対して、継続的に穿刺の手技のスキルを確認するような研修の実施が大切であると言われています。

 

 

また、ここからは駆血のポイントをご紹介いたします。

 

■駆血帯を巻く位置

駆血帯は、採血部位の5~10cm上部に巻くようにします。

 

あまり強く巻くと血液流入が停止し、怒張が不十分になります。

逆に、あまり緩いと血管の怒張が不十分で、採血に時間がかかる恐れがあります。

 

■適切な圧

駆血帯を締める際の適切な圧は、通常40mmHg以下ですが、日本の「標準採血法ガイドライン」では具体的な静脈穿刺時の駆血圧は示されていないのが現状です。

 

■駆血時間の目安

血液の採取時間は2分以内が良いと言われています。

2分以上緊縛していると、うっ血している状態が長くなり血液の性状が変化してしまうため、正確なデータが得られなくなる恐れがあります。

採血が長引くような場合は、一旦駆血帯を外し、30秒ほど待ってから再び緊縛して採血を続けるようにします。

 

■駆血帯を外すタイミング

駆血帯を外してから針を抜きます。

もし駆血帯をした状態で針を抜くと、静脈が怒張しているため多量出血につながりますので注意が必要です。

駆血帯には様々な種類があります

駆血帯には様々な種類がありますが、数年前までは天然ゴム製の駆血帯が主でした。

しかし近年、天然ゴム製品に接触することによって生じるラテックスアレルギーが問題視され、ラテックスフリーの素材が主流になってきています。

 

なお現在の日本では、天然ゴム製の医療用具については「医薬品等安全性情報No.153」(1999年)により、「天然ゴムが使用されていること」と「アレルギーの症状が生じやすいこと」を表示することが義務づけられています。

 

 

ここからは、駆血帯の種類や、巻き方のご紹介です。

駆血帯は大まかに3種類に分けられます。

 

 

1. ~ゴム管(ゴムのみ)~

 

■巻き方

上腕の下にゴム管を通し、両側から少し引っ張りながら真上でクロスさせ、ゴム管の一端を折り曲げて他方のゴム管と皮膚の間に挟みこんで緊縛する

※ゴム管の両端が下方(末梢側)にくるように挟み込んでしまうと、針を刺す時の邪魔になります。

また、針がゴム管に触れて汚染される危険性もあるため、必ず両端が上方(中枢側)にくるようにします。

■メリット

・安価で購入できる

・汚れが拭き取りやすい

■デメリット

・巻き方にコツが必要で慣れるまで扱いにくい

 

 

2. ~ゴム管(ピンチ付)~ 

※1.に金属のピンチが付いたタイプ

 

■巻き方

上腕の下にゴム管を通し、巻きつけた後にピンチに挟み込んで固定する

■メリット

固定や外す作業が簡単

■デメリット

ピンチで患者の肌を挟み込んでしまうリスクがある

 

 

3. ~ワンタッチ式のベルトタイプ~

 

■巻き方

上腕の下にベルトを通し、巻きつけ金具をカチッと止め、適度な強さまで引っ張り固定する

■メリット

脱着がスムーズで、患者の皮膚を挟み込んでしまうリスクが少ない

■デメリット

体格によっては扱い方が難しい

血液汚染しやすく汚れが拭き取りづらい

 

 

以上が現在ある駆血帯の主な種類についてです。

 

次の目次では、駆血に伴う様々な問題を解決するために開発された

画期的な「電子駆血帯」についてご紹介したいと思います。

『電子駆血帯』について ~開発の背景と製品について~

駆血帯は、何世紀にもわたりゴムバンドやベルト式が使われてきましたが、そこに、今から数年前に「電子駆血帯」が登場しました。

 

非常に画期的な「電子駆血帯」、どういったものなのでしょうか。

その開発の背景と製品についてご紹介いたします。

 

 

~開発の背景~

手動式は、看護師および医師の経験や勘で駆血帯を巻くと、駆血が適切に行われないために十分な怒張が得られず、深く穿刺するリスクがあります。

患者の体調や、部位、年齢などによって最適な圧力を探ることが難しいのです。

 

そこで、経験の浅い医療従事者でも容易に操作でき、患者の負担を少しでも減らしたいと開発されました。

 

 

~「電子駆血帯」とは~

「電子駆血帯」とは、患者の血圧・脈拍振幅に応じて自動的に、最適な圧力で締めつけて駆血を行うことができる医療機器です。

 

 

~品名~

マサキカフ

https://www.dreaminpocket.com

 

 

~特徴~

肌に優しい幅広の腕帯(カフ)状が特徴です。

従来のゴムバンドは、注射器を片手で持ちながら、もう一方の手でゴムを外すこともあるため、針が刺さったままの腕に振動を与えることになり危険を伴っていました。

 

「電子駆血帯」はリモートスイッチ機能により、注射針を持ったまま、手を使わず肘でスイッチを押し、加圧・減圧ができます。

 

 

~メリット~

・経験値に頼る必要がなく、採血業務を数値化できる

・血管壁の拍動をチェックしながら、最適駆血圧まで自動で加圧し保持できる

以上、今回は「駆血」と「駆血帯」についてご紹介いたしました。

少しでも医療従事者の皆さまのお役に立てますと幸いです。

 

医療現場で頻繁に行われる採血時の駆血。

電子化することで、医療従事者の皆さまと患者さま、双方の不安と負担が軽減され、医療現場が快適になります。

 

コスミックエムイーでは「電子駆血帯<マサキカフ>」を販売しておりますので、製品に関するご質問などはお気軽に当社までご相談ください。

お問い合わせをお待ちしております。

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