2021.10.26
前回の【医療機器の設計・開発から製造・販売について その1】のコラムでは、医療機器の定義とランクの分類・ランクごとの製品例といった基本的な部分から、医療機器を“製造”するための許可、そして医療機器の“設計・開発業務”における業務内容や必要となる知識についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
今回こちらのコラムです、【医療機器の設計・開発から製造・販売について その2】として
実際に医療機器を開発し出荷するまでの流れ、そして“医療機器の販売”について、実際に多く行われている“医療機器を海外から輸入をする”といったパターンも含めながらご紹介したいと思います。
実際に医療機器を開発・製造する際の流れとして、一般的に設計・開発を含み大きく分けて8つのプロセスをたどります。
下記にその流れをご紹介したいと思います。
STEP1:仕様検討
まずは、お客様が持つ、つくりたい製品に対する想いやイメージを実際に製品化するため、製品についての概要・要望などを細かくヒアリングすることからはじまります。
そして、商品開発の方向性を検討し、製品の設計に向けて満たすべき要件を明確化していきます。
STEP2:ハード・ソフト機構設計
STEP2では、STEP1で挙がった製品に必要な要件を満たすための機能や設定を仕様書に落とし込み、仕様書が出来上がったら設計に入ります。
「設計」と一言で言っても、基本設計から部分設計、そして詳細設計等と、システム全体の設計から外観のデザインに関わる設計、そしてそれぞれの筐体・機構設計や回路・基盤設計等の設計、またソフトウェアの設計も行います。
そして必要に応じ部分機能のモデルを製作するのもこの段階となります。
STEP3:試作機の製造
機構・回路等の設計図面に基づいて実験用の試作機を製作し、機械的な性能の確認を行います。
STEP:4:電気的安全性・EMC・各種試験
試作機での性能調査において製品としての性能が問題無いと判断された場合、電気的な部分における安全性の確認や、EMC規格適合に向けた確認や各種試験を行います。
また、必要に応じて臨床試験も行います。
STEP5:製造販売 承認・認証申請
規格に適合することが確認され、各種試験に合格したら、製造・販売に必要な承認・認証を得るための申請を行います。
STEP6:量産製造
各種申請が受理され次第、製品を安定的に生産するための仕様を確定し製造の検証を行い、量産を開始します。
STEP7:出荷検査
製造した医療機器が
・標準書通りに製造されているか
・市場(消費者)へ出荷しても安全か
などを検査し、市場への出荷可否を判定します
STEP8:出荷
出荷検査によって「出荷:可」と判定されたら、いよいよ実際に市場に出荷が可能になります。
それでは次に、医療機器が製造・出荷された後の販売についてご紹介いたします。
まず、医療機器を製造、又は海外から輸入し、日本の国内で市場に営利目的として出荷することは薬機法等で規制されており、「医療機器製造販売業許可」及び、「医療機器製造業登録」の許可が必要です。
厚生労働省及び、各都道府県の許可・登録・承認等を得ることで医療機関を販売することが可能となります。
そして医療機器販売の一般的な流れと、医療機器には、その特性からくる特徴的な内容があるのですが
まず通常の流れとして、
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1. マーケティング・プロモーション
2. 商品発注/決済
3. 在庫管理
4. 発送/配送
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がよくある医療機器の販売の流れです。
そして次からが、医療機器の特性としての“販売後”における医療機器販売に関連する対応業務として、
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5. 院内在庫の管理
自社在庫管理、メーカー在庫管理、事前処理(滅菌等)
6. 適正使用支援業務 ※1
預託在庫管理業務、短期貸出・持込業務、立会い業務、臨床技術支援、夜間等の緊急対応・院内待機
7. アフターサービス
機器メンテナンス、返品手続、不具合対応(商品改修等)
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といった内容もあります。
なお、上記「※1」の“適正使用支援業務”については、また別のコラム(医療機器販売業の役割と業務について 目次3:医療機器販売業の特徴である「適正使用支援」について)で詳しくご紹介させていただきたいと思います。
まず、医療機器を開発し、海外で製造する、もしくは、海外で製造された医療機器を輸入して、その製品を販売する場合は、医療機器の「製造販売業」の許可を取る必要があり、また、海外で医療機器を製造するメーカーについては「外国製造業者」の認定を得る必要があります。
また、日本の医療機器製造販売業者は、海外の医療メーカーに代わって、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に対して薬事申請を行い、国内での販売の許可も得る必要があります。
そして上記の「製造販売業者」としては下記の2種類があります。
■MAH (医療機器製造販売業者)
■DMAH (医療機器選任製造販売業者)
今回、上記の違いについても説明しましょう。
<MAH (医療機器製造販売業者)>
製造販売業者が申請を行い、認可の所有者も製造販売業者となる
<DMAH (医療機器選任製造販売業者)>
外国製造業者は日本へ医療機器を輸出・販売する際、「輸入元、兼製造販売元」として、日本国内の製造販売業者を選任する必要があります。
この際に選任された製造販売業者をDMAH(選任製造販売業者)と呼びます。
なお、最終的な製造販売の承認/認証は海外メーカーに対して降りるため、申請によって得た許可については海外の医療メーカーが権利を有します。
いずれも、製造販売の承認・認証の保有者が誰になるか、という点以外に違いはなく、一連の許可が下りたあと、製造販売業者が外国製造業者(海外の医療メーカー)から医療機器を輸入し検品を実施、販売・市場へのリリース、といった流れを辿ります。
今回こちらでは、【医療機器の設計・開発から製造・販売について その2】として、医療機器の設計開発から販売、そして輸入する際に必要となる情報について紹介しました。
コスミックエムイーでは、輸入を行う海外の医療機器メーカーの製品に対し、弊社が医療機器製造販売業者として医療機器の薬事申請を行います。
当社が輸入元となり、煩雑な申請手続きを一手にお引き受けしますので、海外の医療機器の輸入を検討の企業様はぜひ一度当社へご相談ください。