2021.11.08
医療機器は身体に影響を与えることもあるため、無許可で販売することはできません。
販売するためには、各都道府県知事の許可を得る必要があり、どのような業態に対し許可、届け出などが必要であるのかは品目ごとに異なります。
今回は、「医療機器販売業」についてご紹介いたします。
【医療機器製造販売業とは】
自社または他社で製造された、あるいは海外から輸入した医療機器を販売、賃貸、授与する者のことを「医療機器製造販売業」と言います。
【役割】
医療機器製造販売業の許可を受けた方は、医療機器の品質が保たれるよう製造業者を監督し、国内市場において健康被害が発生した際には注意喚起や製品回収を行ったりしなければなりません。
また、新たな医療機器を上市(承認された新薬の市場販売が開始されること)するために必要となる承認・認証へ向けた各種手続きを行うことも製造販売業者の役割です。
【医療機器のクラス】
医療機器にはシリンジ、テープ類といった一般消耗品からペースメーカーやステント、画像診断機器(エコー、CT、MRI等)など多種多様なものがあり、その種類は約85万種類と言われています。
そして医療機器製造販売業の許可も下記の通り区分されており、区分に応じて取り扱えるクラスが異なります。
~第一種医療機器製造販売業許可~
医療機器の種類:高度管理医療機器
クラス分類:クラスⅣ→心臓ペースメーカー人工心臓弁、ステント等/クラスⅢ→放射線治療装置、透析器等
~第二種医療機器製造販売業許可~
医療機器の種類:管理医療機器
クラス分類:クラスⅡ→家庭用電位治療器、家庭用低周波治療器、X線装置、消化器用カテーテル等
~第三種医療機器製造販売業許可~
医療機器の種類:一般医療機器
クラス分類:クラスⅠ→ピンセット、電動式患者台、X線フィルム、歯科技工用用品等
【許可】
医療機器を製造や輸入をして国内市場に対して販売をするためには、医療機器製造販売業の許可が必要です。
しかし、以下に1つでも該当する方は許可を受けることができません。
イ.医薬品医療機器等法に違反して許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない方
ロ.医薬品医療機器等法に違反して登録を取り消され、取消しの日から3年を経過していない方
ハ.禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない方
ニ.イからハまでに該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない方
ホ.成年被後見人又は麻薬、大麻、阿片(あへん)、若しくは覚醒剤の中毒者
ヘ.心身の障害により薬局開設者の業務を適正に行うことができないとして厚生労働省令で定められている方
市場競争力のある医療機器を創出するために、医工連携は不可欠です。
「医工連携」というキーワードは、「医学従事者と工学従事者」、「医学と工学」など様々な意味で用いられ
ていますが、医工連携事業化推進事業では「医療現場(医療機関)とものづくり企業(工業界)」を指してお
り、日本のものづくり力を活かした医療機器の創出を強力に推進しています。
【開発プロセス】
医療機器は、医薬品と異なり、製品化に至るまでの開発プロセスは必ずしも一本道ではありません。
プロセスのどの段階においても振り返りを行い『開発、検証、改良を繰り返しながら製品化を目指す』という特性があります。
また、製品が多品目、多様であり、機器の種類、クラスの違い等によっても様々な開発パターンがありますが、いずれのパターンにおいても実用化するためには、最終的には製造販売業者による製造販売承認等の許認可の取得と事業化が必要であり、より良い医療機器をより早く患者さんに届け、医療の質の向上に役立てるためには、開発初期段階から事業化戦略を意識し、スピード感を持って研究開発を進めることが重要です。
【供給の流れ】
医療機器が医療機関に供給されるまでの流れは、以下の通りとなります。
製造業者が「製造業登録」
↓
製造販売業者が「製造販売業許可」
↓
販売業者が「販売業の許可・届出」
↓
「医療機関」
【輸入】
医療機器を輸入する場合は、市場出荷を行うために製品を保管する倉庫等について製造業登録が必要です。
外国の製造所については、日本国内の製造所の製造業登録に該当する外国製造業者登録が必要です。
なお、外国製造所から直接日本へ市場出荷することはできません。
日本国内の製造所で包装表示・保管された後、製造販売業者または製造販売業者から委託を受けた国内の製造業者による、市場への出荷判定を受ける必要があります。
【適正使用支援業務とは】
適正使用支援業務とは、医療機器の特性を踏まえて医療機関における医療機器の適正な使用を総合
的に支援する業務です。
医療機器販売業は、メーカーが作った医療機器を医療機関に届けるという大変重要な役割を担っています。
それを単に届けるだけではなく、適正使用支援業務を通じ医療機関をサポートしています。
また、医療機器に関する新しい情報をキャッチし医療機関に知らせるとともに、医療機関からの要望も伺い、メーカーに伝えることも行っています。
このように、医療現場と医療機器メーカーとの間をつなぐ情報の流通も担っているのです。
【海外との違い】
医療機器販売業による『適正使用支援業務』は欧米においては一般的ではありません。
これは日本独自の医療体制と、国民皆保険によるものが大きいです。
【適正使用支援の一例】
①臨床技術支援
②手術、検査時における医療機器の説明や手術時の立ち合い
③医療機器の保守/メンテナンス業務
④緊急症例や手技中の不具合等、通常営業日以外での緊急対応
なおコスミックエムイーの適性使用支援業務としては、主に「③医療機器の保守/メンテナンス業務」を中心に対応しております。
日々製品をご使用いただく中で発生する不具合の対処、また定期的なメンテナンス等を的確に行い、当社の製品を皆さまが安全・安心にご利用いただけるよう努めています。
コスミックエムイーでは、創業からさまざまな医療機器の開発・製造を行っており、適正使用支援業務をはじめ、医工連携を推進していくためこれからも「ものづくり」を極め、皆さまのお役に立てるよう努めてまいります。
医療機器製品の開発・製造/販売の導入プロセス等に関するご相談はぜひ、当社へお問い合わせください。