脊柱側弯症とその検査等について

2022.05.09

コラム

今回は、「脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)」という、背骨=脊柱に弯曲等の異変が起こる病気についてご紹介します。

 

病気の発症率や病気の特異性、そして、検査・治療法、また、検査に使用される検査機器についてもご紹介しますので、こちらのコラムを通してぜひ理解を深めていただけたらと思います。

脊柱側弯症とは?どんな病気?

■脊柱側弯症とは

正常であれば、正面から見ると真っ直ぐに並んでいる脊柱が、ねじれを伴って10度以上側方(左右)に弯曲している状態をさします。

世界でも2~3%の有病率で、日本国内でも人口の約2%が発病しており、学校保健法により側弯の学校検診が義務付けられています。

比較的男子より女子に発症しやすいとされています。

 

 

■原因は?

生まれつき脊柱に何らかの奇形をもっている場合もありますが、脊柱側弯症で一番多いのは、“特発性側弯症”と呼ばれる、発生・進行の原因がはっきり特定できないタイプです。

 

一般的に、特発性側弯症は思春期の女子に多く発生しやすいとされています。

筋肉や神経の病気や、マルファン症候群の症状の一つとしても側弯症が起こることが知られていますが、姿勢の悪さや、慢性的に腰痛をかばう姿勢をとり続ける生活なども側弯症の原因になることもあります。

 

 

■症状や病状の進行は?

側弯が軽度、もしくは発症後間もない場合は、無症状・無自覚である場合が多いのですが、側弯の進行により脊柱の曲がりが強い状態になると、背部や腰の痛みの他に肋骨の変形も引き起こされます。

また、それに伴い胸部のねじれにちry肺の圧迫から肺機能の低下が起こることもあります。

 

 

脊柱側弯症の主な検査と治療内容

突発性側弯症のうち、最も多い発症時期は10歳以降の思春期であり、早期発見により適切な治療や経過観察を行うことで、変形を軽度に抑え重症化を予防できることから、学校保健法により学校検診の実施が義務付けられています。

 

■検査

国内の多くの小中学校においては、一次検査で三次元モアレ撮影を実施し、要精密検査とされた児童に対しては、二次検査として医師によるX線撮影と診察の実施が一般的な検査の流れとなっています。

 

なお、家庭でも「立位検査」や「前屈検査」により、肩の高さや肩甲骨の突出している高さの左右比、腰の高さが左右対称かどうか、等を確認することにより事前に異常を見つけられる場合があります。

 

 

■治療方法について

年齢や側弯の角度、骨の成熟度総合的に決められます。

突発性側弯症は、年齢が上がるにつれ病状が進行していく事が多いのですが、軽度であれば定期的な検査と経過観察で様子を見る場合があります。

 

 

<軽度> 経過観察

側弯が25°未満の軽度の場合、数カ月ごとのX線撮影と医師による定期診察が行われます。

 

<軽度~中等度> 装具治療

軽度でも医師の判断により必要性がある場合、また、側弯が20°~45°程度の中等度の側弯に対しては、側弯が進行し手術が必要になる状態にしないよう装具を使った治療を行います。

※側弯の矯正が目的ではありません

 

脇下から骨盤までをカバーするプラスチック製のコルセットを、基本的に入浴、及び体育等の運動の時以外は装着し

一般的に、成長期を過ぎ骨が成熟した段階で側弯の進行が見られなければ、装具を着ける時間を徐々に減らしていき、最終的には装具の治療を終了します。

 

<重度> 手術治療

側弯の進行が40~50°を超える重度の側弯、または、装具による治療が効果を発揮しない場合には、手術治療による側弯の矯正が一般的に必要となります。

手術では、曲がった脊柱を矯正して、元に戻らないように矯正固定術が行われます。

 

※整体やマッサージ、運動療法などによる側弯症の治癒・矯正につながる有効効果は科学的に確認されていません

 

 

当社製品【脊柱側弯モニタ SCOLIOMAP】

コラム

以上のように、脊柱側弯症は早期発見による適切な定期診断及び治療により、側弯の進行を防ぐことがまず大切になってきます。

 

そのため目次1でもお伝えしたように、現在は小学校高学年~中学校において、学校検針の必須項目として脊柱側弯症の検査が含まれています。

 

代表的なものが「モアレ検査」と呼ばれる、体の背面の凹凸を測定し、そのモアレ縞という等高線を表示させ、左右対称性を確認する方法です。

 

 

■検査機器の進化 ~弊社製品 脊柱側弯モニタSCOLIOMAPのご紹介~

 

弊社にて製造販売を行っている脊柱側弯モニタSCOLIOMAPは、3Dスキャナで背部を撮影し、背部の形が理想的な左右対称性からどの程度ずれているかをデジタルIT処理により平均1.5秒で解析します。

その画像をコンピューター上にグラフィック表示するとともに推定側弯角を自動算出することで、短時間で効率的に検査が行え、独自の測定アルゴリズムによる高い推定精度も実現しています。

更にX線被ばくの心配もありません。

 

このような検査機器の導入のメリットとしては、画像をデジタルデータとして保存できることで診断の効率化につながる点や、学校医の負担も減らしながら全国的に均一な検査を実施できる点にあります。

 

まとめ

医師によるX線検査を行う前の一次診断として、現在大変重要な位置付けとなっているモアレ縞の撮影診断。

一次検査だけではなく、専門検査にも活用いただける点を強みとして弊社にて製造販売を行っております。

 

公益財団法人日本学校保健会の令和4年度推薦用品にも選出され、改めて多くの場で導入いただき、脊柱側弯症の早期発見のきっかけとなるようご提案をさせていただきたいと思っております。

 

本製品にご興味をお持ちのお客様はぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

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