医療機器参入 ~ニーズと成功のポイント~

2022.12.19

コラム

他分野の製品の開発・製造を担っている企業が、新たな分野として医療機器分野の開発・製造を目指す医療機器参入。

「クリアしなければならない課題が多く難しい」とお考えの企業様も多いと思いますので、今回はその不安を解消していただくべく、医療機器参入に関する情報をお伝えしていきたいと思います。

医療機器参入について ~市場とニーズ~

まず現在の医療機器市場の状況としては、ここしばらくはゆるやかな上昇傾向が続いていますが、内訳としては大幅に輸入製品が上回っている状態であり、日本国内の企業が持つ優れた開発・製造技術力が活かされていないといった非常に残念な現状です。

 

国内のものづくりの技術が活かされない理由としては、新たに医療機器に参入するには「クリアしなければならない課題」について、ハードルの高さを感じご不安に思っていらっしゃるからだと思います。

 

■医療機器参入における課題

・医療機器に関する規制や規格の把握

・医療機器の製造、薬事申請、販売、修理に関する各業許可(登録)

・治験、臨床的専門知識、業界用語に対する理解

・販路構築

・回収のリスク

このように、医療機器業界へ参入するには、規制・企画に関する知識、そして各業の許可(登録)、治験や臨床に必要な医療知識、販路開拓、そして万が一の製品回収のリスクなど多岐にわたり存在しています。

 

しかしこれらの課題は、新規参入を検討する企業様が、医療機器業界独自のコネクションの中に単独ではなかなか入りづらいことが一因であり、その点が解消できれば、実際に以下のような日本のものづくり企業の技術職・能力を非常に生かせる業界だと考えています。

 

 

<その理由>

 ~用途に応じて幅広い製品ニーズがあり、ものづくり技術を活用できる場が多い~

 

医療機器は、診療科や治療の内容・用途によって使用される機器が異なるうえ、各科ごとの医師や看護師のニーズに応えるために改良を期待される製品も数多くあります。

これらの製品の中には、大手のメーカーや製造会社は手掛けないようなニッチな製品需要が多く存在し、それに対して中小企業のものづくりの技術・開発力が必要とされているのです。

 

もともと、医療機器は情報処理や精密な機械制御、画像化など、基盤技術を利用したものが多く、現在の医療機器のトレンドも「ロボット手術」「AI」「アプリ」といった、電子機器ですので、それらの能力、技術、特徴を持つ企業様が現在医療機器業界では求められています。

医療機器業界への参入をスムーズに進める“成功のポイント”

医療機器参入にまつわるリスクを減らし、そして成功に導くために以下のようなポイントが大切になってきます。

 

 

■医療従事者との関係構築

医療現場で本当に必要とされている製品はどのようなものなのか、正確なニーズをつかめない限り、市場で評価を得る製品を開発・製造することは難しくなってしまいます。

そこで大切なのが、当たり前ではありますが、ユーザーである医師やその他医療従事者との接点を持つこと。

これは医療機器の開発・製造段階、治験、そして販売まで、全ての工程においてその関わりが、成功のための非常に大きな鍵となる部分です。

交流会や展示会等の参加などにより、少しでも多くの医療関係者の人脈を広げましょう。

 

■製品に対する客観的評価と長期視点での需要推測

市場で売上を伸ばせるかどうか、または需要があるかにおいては客観的な視点でその特長を捉えることが必要です。

後継機の開発であればなおのこと、使い勝手や性能の改良度がユーザーにとって魅力的で需要があるのか、また、競合他社の製品と比べて優れたポイントに対する需要がどの程度のものなのか。

そして、医療業界の動向から長期視点で需要が見込まれるかどうか。

業界の動きをしっかりと把握し、開発製品の特長を客観的に捉えた上で製品化をしていくことが大切です。

 

■自社にないリソースは外部と連携する

新規参入を検討する企業様が、医療機器市場・ニーズの調査、開発、治験、薬事申請、販売促進などを、単独で進めていくことはあまり現実的ではありません。

そのような場合には、それぞれの知識・経験を有する企業と連携・協力することを検討しましょう。

先に述べた2点においても、これらを遂行するために外部企業やコーディネーターとのコネクションを構築することで、技術を持った企業様がスムーズに医療機器市場に参入することが可能になりますので、連携先企業・団体の検討から始めましょう。

 

 

そして弊社では、実際に新規参入を検討する企業様をサポートさせていただいています。

弊社の情報について詳しく次の目次でご紹介させていただきたいと思いますので、ぜひ今後のご参考になさってください。

コスミックエムイーでの医療機器参入サポートについて

■サポート実績

・大学病院などの医師との共同開発(9件)

 

■製品

内視鏡下手術デバイス、診断機器、コロナ関連デバイス、AI関連デバイス、整形外科関連デバイス、リハビリ関連デバイス、など

 

これらの多くは、展示会や学会、医工連携セミナーを通じてご相談をいただきサポート事業に至ったものが多く、左記以外にも、ドクターからのご紹介やお客様のネットワーク、またホームページを通してご相談をいただく案件も多くございます。

 

■コスミックエムイー 医療機器参入サポートの強み

・医療機器の設計開発、製造、薬事申請までワンストップでサポート

・医療機器の設計段階で医療機器の規格に合わせた開発サポート

・電気安全性試験、電磁両立性試験、生体適合性試験などの各種試験のサポート

・薬事戦略、薬事申請サポート

 

このように、コスミックエムイーではワンストップで参入における各所のサポートを行っています。

医師との共同開発では臨床的な知識が必要なため、当該領域の文献、参考書などで勉強を行い、ものづくり企業様との共同開発では、臨床的知識や医療機器特有の規制を的確にお伝えすることを欠かさないよう、上市成功までの道のりを確実にサポートできる点が弊社の強みでもあります。

 

■私たちの考え

実際は、車や情報産業の方が医療業界より最先端で、医療機器はそれらが普及した後に、人でも使えるよう、臨床試験などを得て、安全が確認され、ようやく医療機器となるため、一足も二足も他の業界よりトレンドが来るタイミングが遅いと感じています。

そのため、医療機器だからと言ってさほど特別なものはなく、既にある技術やアイディアを医療機器業界でどのように活かすかが医療機器業界参入のキーになると思います。

まとめ

新規参入についての情報はいかがでしたでしょうか。

今回のコラムで少しでも医療機器参入への不安を解消していただけたら大変嬉しいです。

 

また弊社もより一層多くの皆さまの製品実現化をサポートさせていただきたく、アイディアをお持ちの企業様がいらっしゃいましたらぜひ一度当社までお問い合わせください。

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