医療機器業界におけるOEM・ODMについて ~その違いやメリット、委託先探しのポイントなどの解説~

2023.05.02

コラム

医療機器業界では、新たな製品を市場投入するために、OEMやODMを利用することが一般的であり、異業種からの新規参入方法としても非常に有効な手段です。

この記事では、医療機器業界におけるOEM・ODMについて、その違いやメリット、委託先探しのポイントをご紹介します。

医療機器業界におけるODMとOEM:それぞれの違いと役割

医療機器業界において、「OEM」と「ODM」は非常に重要な用語です。両者には共通点がありますが、異なる点もあります。

 

まず、「OEM」は、Original Equipment Manufacturer(オリジナル・イクイップメント・マニュファクチャラー)の略称であり、製品の設計や開発、組立図に至るまで委託者側が用意・対応を行います。

依頼を受けた受託者は、委託者が用意した設計図面・仕様書に従い、製品を製作するのみの役割となります。

一方、「ODM」は、Original Design Manufacturer(オリジナル・デザイン・マニュファクチャラー)の略称であり、製品の開発から製造に至るまで、すべて依頼を受けた受託者が担当します。

 

医療機器業界においては、ODMとOEMの両方が重要な役割を果たしています。

ODMによる製品開発は、顧客ニーズに合わせたカスタム製品を提供することができるため、自社に製造技術がなくてもアイディアさえあれば医療機器業界へ参入することができ、医療機器業界の競争力を高め、よりよい製品を世の中に送り出すことにつながります。

また、OEMによる製品販売は、自社で製品の製造まで対応するよりもコストや時間の面で優位性があり、こちらも多くの企業が採用しています。

 

ただし、医療機器業界においては、ODMとOEMの両方に対して、厳格な品質管理と規制遵守 が求められます。

医療機器の使用は人命に関わるため、製品に欠陥があれば重大な事故につながってしまう可能性があります。

また、製品の安全性や有効性を保証するためには、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく認証を取得する必要があります。

 

そのため、医療機器業界においては、ODMやOEMを受託する企業(当社のような医療機器製造業者)が、高度な技術力や品質管理体制を持ち、適切な規制遵守が求められます。

医療機器OEM/ODMのメリットとは?

医療機器のOEM/ODMには多くのメリットがありますが、その中でも以下の3つが重要なポイントです。

 

  • まず、コスト削減が挙げられます。

OEM/ODMは、自社で設計・開発・製造する場合に比べて、コストを抑えることができます。

特に、大量生産においては、OEM/ODMで生産することによって、単価を抑えることができます。

また、専門的な技術や設備を持っていない場合には、必要な技術や設備を持つパートナー企業を利用することで、コストを抑えることができます。

 

  • 次に、市場投入までの時間を短縮できるという点があります。

医療機器製造にまつわる知識・技術がない企業が自社で設計・開発する場合には、市場投入までに長い時間がかかることがあります。しかし、OEM/ODMを利用することで、開発期間の短縮ができます。パートナー企業が持つ技術や設備を活用することで、開発期間を短縮し、市場投入までの時間を短縮できます。

 

  • 最後に、品質と信頼性の確保が挙げられます。

OEM/ODMにおいては、製品の設計・製造において、専門的な技術や経験を持つパートナー企業と協力することができるため品質や信頼性が高まり、製品の品質管理や品質改善にも高いレベルで取り組むことができます。

 

以上のように、OEM/ODMは、コスト削減、市場投入までの時間短縮、品質と信頼性の確保など、多くのメリットがあります。

医療機器業界においては製品の品質=安全性が最も重要 であり、その信頼性を確保することが求められています。OEM/ODMを利用することで、自社で持つ技術や設備を補完し、製品の品質や信頼性を確保することができます。

(弊社版)医療機器OEM/ODM案件の流れを重要なポイントに絞って解説

最後にこちらで、弊社の場合の医療機器OEM/ODM案件の流れについて、重要なポイントに絞って分かりやすく解説します。

 

1. 詳細の確認/ヒアリング

Web会議(または対面)にてお客様の目的や要望をしっかりと伺います。

 

※弊社へご相談の際は、依頼したい医薬品医療機器等法上の『役割』(製造業、製造販売業、販売業など)をお伝えいただくとスムーズです。

医療機器に初めて参入される場合など、こちらの法律の役割が不明確な場合は、ご説明いたしますのでお気兼ねなくご相談ください。

 

 

 

2. 開発・製造の検討

お伺いした内容を元に、開発・製造を検討し、上市のご希望時期に合わせてスケジュールを設定します。

また必要に応じて「製造契約書」や「売買契約書」を締結します。

量産製造の場合は製品の「仕様書」や「製造委託書」ご提示頂けますと、具体的な量産計画の立案がスムーズです。

 

3. 薬事申請

医療機器は製品として上市する前に、「薬事申請」による認証取得を行う必要があります。

弊社ではOEM/ODMの製品開発や製造だけでなく薬事申請のサポートも行っております。

認証取得のためには、医療機器によって様々な試験を行う必要があるため、弊社では薬事担当者を含めてご相談しながら進めていきます。

 

以上、重要なポイントに絞って医療機器OEM/OEMの流れをご紹介しましたが、ご不明点等ございましたらお気軽にお問合せください。

 

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

医療機器業界におけるOEM・ODMは、医療現場のニーズに合わせたカスタマイズや高品質な製品を提供するための手段として、一層その重要性が高まっていますが、成功するためには、実際に医療機器を製造する受託者における厳密な品質管理体制、そして委託者と受託者双方の情報共有、コミュニケーションが欠かせません。

 

弊社では、委託者であるお客様とのコミュニケーション・情報共有を大切にし、現場で必要とされる医療機器の上市をしっかりとサポートいたしますのでぜひお気軽にご相談ください。

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